調停者の鉤爪

Last Updated:

06/08/2002




「新しい太陽の書」第2巻「調停者の鉤爪」

The Claw of the Conciliator (1981, Timescape Books)
「調停者の鉤爪」 岡部宏之訳、早川書房、昭和62年、ハヤカワ文庫SF703
ネビュラ賞受賞、ローカス賞ファンタジー部門受賞、ヒューゴー賞候補、世界幻想文学大賞候補

調停者の鉤爪 The Claw of the Conciliator The Claw of the Conciliator Shadow & Claw Shadow & Claw

厳しい掟にそむき、生まれ育った<城塞>を追放された若き拷問者セヴェリアンは、一路伝説の都市スラックスへと向かった。師匠のグルロウズ師から譲りうけた名剣テルミヌス・エストと、人知を絶する力を秘めた宝石<調停者の鉤爪>を携えて・・・。衰えゆく太陽と異様な風景、そして謎めいた人々。セヴェリアンの旅は、しだいにこの惑星ウールスの生成の謎に迫るが、一方で彼は、抗いがたい運命にみちびかれて、大反逆者ヴォダルスとまみえることになった!名匠ウルフが卓越した想像力を駆使して異世界を創りあげ、絶賛を博したサイエンス・ファンタジイ四部作、第二弾登場--「調停者の鉤爪」表紙裏紹介文より

ネッソスを囲う<壁>の<憐れみの門>でドルカスやタロス博士らと離ればなれになったセヴェリアンは、<壁>の手前で出会ったジョナスと一緒に旅を続ける途中、サルトゥスと呼ばれる村に滞在していた。村長の要請により罪人を処刑した後、セヴェリアンの宿屋の部屋に何者かから手紙が届けられた。手紙は死んだはずのセクラの方からのものだった。死んだとみせかけて、実はセクラの方は無事脱出し、サルトゥスの近くの鉱山に隠れているというのだった。喜びのあまりセヴェリアンは手紙の指示の通り、古い鉱山にひとり向かった。ところが鉱山の中にセクラはおらず、かわりに不気味な猿人たちがセヴェリアンに襲いかかってきた。窮地に陥ったセヴェリアンが<調停者の鉤爪>を取り出すと<鉤爪>の光に猿人たちは攻撃をやめた。なんとか鉱山から逃げ出したセヴェリアンは、セクラの手紙が、セヴェリアンに復讐しようとするアギアの罠だったと知った。ジョナスの助けでアギアを捕らえたが、セヴェリアンは結局彼女を逃がしてやった。

宿屋に戻ったセヴェリアンとジョナスの部屋に何者かが押し入った。セヴェリアンが処刑した罪人の一人は反逆者ヴォダルスの配下のものだったため、ヴォダルスの指図により二人は拉致されたのだった。森の中のヴォダルスの隠れ家で、セヴェリアンはヴォダルスとセアの方に再会した。かつて自分の命を救ったセヴェリアンをヴォダルスは歓待し、一党の結束を固めるための晩餐に二人を招待した。ヴォダルスの晩餐は恐ろしいものだった。異星から連れて来られた生物アルザボの腺から精製された薬の力により、人間の死肉を食べ、それによって死者の記憶と知識を共有するというものだった。この夜の料理はセクラの方その人の死体だった。薬のもたらす混乱の中、恐怖と嫌悪の念が歓喜に変わり、セヴェリアンは自分の内に愛しいセクラが復活したことを悟った。

翌朝セヴェリアンとジョナスの目がさめるとヴォダルスの一味の姿はなく、二人はタロス博士の一座に再会するため、またヴォダルスの密命を果たすために、独裁者の宮廷である<絶対の家>に向かうことにした。道中セヴェリアンは、薬の効力が切れると消滅するはずのセクラの意識が、まだ自分の中に残っており、これからも決して消え去らないだろうことに気づいた。

<絶対の家>に着いたセヴェリアンとジョナスは近衛兵に捕えられ、<控えの間>と呼ばれる場所に収容された。そこには何世代にも渡る囚人たちがいた。はるか昔の囚人たちはなんらかの理由で捕えられ、忘れ去られて、それ以来何百年もが過ぎ去ったのだった。二人はなんとか<控えの間>を脱出し、ジョナスはウールスの外の世界に通じる鏡の中に去った。

<絶対の家>の庭園でセヴェリアンはタロス博士の一行と再会することができた。セヴェリアンたちは宮廷の人々の前で<新しい太陽>の到来を主題とする芝居を演じるが、劇が佳境にさしかかった時、理性を失った巨人バルダンダーズが観客席に乱入したため、一行は<絶対の家>から逃げ出すことになった。やがて自分たちの家のあるディウトルナ湖に向かうタロス博士とバルダンダーズ、スラックスに向かうセヴェリアンとドルカス、それにジョレンタが別れる時が来た。セヴェリアンたち三人は、<石の町>と呼ばれる廃墟に辿り着き、はるか昔に死んだアプ・プンチャウと呼ばれる人物を召喚しようとする魔女たちに出会った。タロス博士と別れて以来すっかり衰弱していたジョレンタは、アプ・プンチャウを召喚する儀式のさなかに息を引き取った。

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