ultan.net: 作品紹介

Last Updated:

06/30/2001




Galen Strickland 氏による作品紹介(その7)

1993年になってウルフはSF、そしてセヴェリアンの宇宙に帰ってきた。"The Book of the Long Sun" シリーズは聖職者であるパテラ・シルクと、シルクの巨大な円筒型宇宙船 "Whorl" をめぐる旅の物語である。"Whorl" の住人はとうに昔に自分たちの起源も目的も忘れてしまっている。物語の語り手のホーンはシルクの教え子である。彼らは言葉を話す鳥や獣、人間性を破壊しようともくろむ知的なサイボーグ、「聖なる窓」(はるか昔に死滅した宇宙船の建造者によってプログラムされたコンピュータ・ターミナル)を通して話しかける神々、などであふれる奇妙な世界を旅する。タイトルの "The long sun"は、円筒型宇宙船の中央軸にある照明用の「太陽」を意味している。シリーズ各作品のタイトルは、 "Nightside the Long Sun""Lake of the Long Sun""Caldé of the Long Sun""Exodus from the Long Sun" である。シリーズ終幕で "Whorl" は目的地に到着し、シルクは、宇宙船の当惑した乗客により植民化される予定の二つの惑星の一つ、ブルーに旅立つホーンに別れを告げる。1999年にウルフはさらに続きとなる "On Blue's Waters"、さらに翌年に "In Green's Jungles"、さらに2001年2月には "Return to the Whorl" を発表して、"The Book of the Short Sun" シリーズを完結させている。

Litany of the Long Sun Epiphany of the Long Sun On Blue's Waters In Green's Jungles Return to the Whorl

"Free Live Free" の以降の部分については、前半に比べて駆け足の紹介をした。これは "Soldier of Arete" を例外として、私が最近の作品はどれも一回しか読んでいないからだ。私がくりかえしのべているように、これではウルフの作品をちゃんと理解したというには全然足りない。"The Book of the Short Sun" シリーズについては、第三部まで出揃うのを待った方が良いと考え、まだ手をつけていない。おそらく私はいつか各作品の深い意味にもっと確信がいった暁に、このエッセーを書き直してより明瞭な分析を加えるだろうと思う。それまでの間は、ウルフの作品に親しんでいない読者に、ウルフの現時点までのキャリアの概観を示し、ジャンルSFにおいて、そしておそらくはあらゆるジャンルにおいて過去最高のスタイリストと考える作者への賞賛を伝えられれば良いと思う。

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