Last Updated:
05/25/2002
ウールスの海の底に住む巨大な生き物。エレボスが南極地方の冷たい海に住むのに対して、アバイアは暖かい海に住む。その身体は文字通り山ほども大きく、大地の上で暮らすことはできません。
そして最後に、氷河期以前に宇宙の果ての海岸から連れてこられたあの巨大怪獣アバイアが、その中でのたうちながら、彼とその種族が大陸をむさぼり食う寸簡がくるのをまっているという、きらめく海まで。--「拷問者の影」第13章
きわめて高い知性と強大な力を持っており、時間と空間の海を自由に行き来することができると思われます。この能力を用いてセヴェリアンの未来を予見し、幼少時から監視しています。上記引用では「巨大怪獣」「彼とその種族」とありますが、アバイアとエレボスが同一種族なのか、また人類とは全く別種なのかも、はっきりしません。
「エレボスやアバイアが山よりも大きいという、きみの言葉は正しい。そして、きみがそれを知っているので、わたしは驚いたと認めよう。たいていの人間は想像力に欠けるから、そんなに大きいものを思い描くことができない。だから、あれらが家や船より大きいとは考えない。あれらの実際のサイズはあまりにも大きいので、この世界に留まっているかぎり、水中から出ることは決してできないんだ――自分自身の体重でつぶれてしまうからね。しかし、彼らが拳で<壁>を叩き壊すとか、大石を投げるとか、考えてはいけない。彼らは思考によって追随者を組織し、自分たちの支配に対抗するすべての支配に対して、彼らをぶつけてくるのだ」--「調停者の鉤爪」第8章
アバイアの女奴隷である水の精は、サイズはともかくほぼ人間と同じ姿かたちをしていますが、アバイア自体がどのような形態なのかも不明です。アバイアにしてもバルダンダーズにしても、巨大化する身体はより高い知性を得ようとする欲求=必要性により生じた結果であるように思われます。
アバイアはある時はセヴェリアンの命を助け、ある時は自分の支配下に置こうとし、また "The Urth of the New Sun" では「新しい太陽」の到来を阻止するためにセヴェリアンを殺害しようとします。その本当の動機ははっきりしませんが、「新しい太陽」に反対する勢力の中心であるのは確かです。だからと言って、「新しい太陽」が善でアバイアが悪であるとの単純な二元論は成立しません。あるいはアバイアはあまりに代償の大きい大変動を避けようというある種の善意に基づいて行動しているのかもしれません。"The Urth of the New Sun" ではアバイアの行動が、人類をより良いものにしようとする意図に基づいている、との可能性も示唆されます。
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