Last Updated:
06/30/2002
「茶色の本」の中の「<蛙>と呼ばれた少年の物語」の登場人物。ウールスを訪れた<春風>との間に双子をもうけ、これが<蛙>と<魚>となります。おそらくローマ神話で軍神マルスとの間にロムルスとレムスの双子を生む、アルバ・ロンガの王女レア・シルウィア(Rhea Sylvia)のことと思われます。ちなみに "Rhea" はギリシア神話のゼウスの母親の名前からとられたもの、"Sylvia" は彼女がシルウィウス氏族の出身だったから、ということのようですが、一方、"Rhea" はアメリカダチョウの意味もあり、"Sylvia" は森林の樹木を意味する "silva" に通ずるため、<森の小鳥>の意味になります(というか<森のダチョウ>か?)。
さて、たまたま戦さの成り行きで<春風>はウールスにやってきた。そこで彼は、それぞれ王位についている二人の兄弟と知り合いになった。彼らのうち、兄のほうには何人も息子がいたが、弟のほうには娘が一人しかいなかった。その娘は<森の小鳥>といった。この娘が大人になったとき、父親が殺された。そして彼女の伯父は、彼女が息子を生んで、祖父の王国の権利を要求することがないように、彼女を処女司祭の名簿に登録してしまった。<春風>は不快になった。なぜなら、この王女は美しく、その父親は彼の友人だったから。ある日、彼はウールスの世界にたまたま一人で出かけた。そこで、ある小川のほとりで<森の小鳥>を見つけ、接吻して彼女を目覚めさせた。
彼らは愛しあい、双子の息子を生んだ。教団の処女司祭は<春の小鳥>を助けて、胎内の子供の成長を伯父王から隠したが、生まれた子供を隠すことはできなかった。そこで、<森の小鳥>が子供を見ないうちに、処女司祭は双子を、羽毛の毛布を敷いた柳の籠に入れ、<春風>が彼女を驚かせたのと同じ小川の岸にいき、籠を流して立ち去った。--「警士の剣」第19章
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