ultan.net: 登場人物

Last Updated:

07/28/2002




キャサリン Catherine

セヴェリアンの母親。ある修道院から逃げ出してオウエンと出会い、その後捕えられて拷問者の客人となっている時にセヴェリアンを産みます。

「そして、わたしの顔を見て話せ。おまえが愛した女――いや、おそらくおまえを愛した唯一の女――色の黒い女――と一度寝たな?」

「一度です、旦那」彼はいった。「そうです、旦那。キャサリンという名前でした。古くさい名前だと、みんないいました」彼は言葉を切って肩をすくめた。「おっしゃるとおり、ごたごたがありました。彼女はある修道院から逃げてきたのです。法律が彼女を捕え、わたしは彼女に二度と会っていません」--「独裁者の城塞」第37章

セヴェリアンを産んだ後、キャサリンが果たして処刑されたのかどうかは不明です。拷問者の常としてセヴェリアンは自分の母親を知りませんが、特殊な記憶能力により母親の面影にまでたどりつきます。

わたしは徒弟頭になった次の年の、あの聖キャサリンの日の祭の記憶を呼び覚まそうとした。ところが祭の準備がほとんど始まらないうちに、他の記憶が求められもしないのに、そのまわりに群がり集まってきた。組合のキッチンで、わたしは盗み酒のカップを唇に持ち上げた――そして、それがいつのまにか、暖かい乳の流れる乳房に変わっていた。それはわたしの母の乳房だった。無駄な試みをさんざんしたあげく、ついに彼女まで遡ることができたので、わたしは高ぶる気持ち(そのために記憶が消えてしまう可能性もあった)をほとんど抑えることができなかった。わたしの腕は彼女を掴もうとした。そして、目を上げることができさえしたら、彼女の顔が見えただろうに。それは確かにわたしの母だった。なぜなら、拷問者が養う子供は乳房を知らないから。そのときに、視野の縁に灰色に見えたものは、彼女の独房の壁の金属だった。まもなく、彼女は連れて行かれ、"装置" の中で悲鳴をあげるか、またはアロウィンのネックレスの中であえぐことになるのだった。--「調停者の鉤爪」第27章

セヴェリアンの母親のキャサリンはどのような罪を犯して拷問者に捕えられることにいたったのか、また彼女が所属していた修道院とは何なのか、明確な解答はありません。少なくとも物語内の論理からは次のようなことが言えるでしょう。

以上の理由から、「セヴェリアンの母親のキャサリン、聖キャサリン、伯爵夫人カリナは同一人物である」とする強引な説があります。伯爵夫人カリナはともかくとして、セヴェリアンの母親と守護聖女の間には明らかに意図的な類似性があるでしょう。また、高貴な生まれの母親と貧しい父親の間に生まれた救世主というモチーフは、14歳まで神殿の中で育った聖母マリアが、神のお告げにより大工でやもめのヨセフと結婚してイエスを産んだことを連想させます。

なお作中の数箇所でセヴェリアンの双子の姉妹の存在が示唆されていますが、これはおそらく魔女のメルリンのことだと思われます。

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