ultan.net: 登場人物

Last Updated:

12/08/2002




ジャハイ Jahi

「調停者の鉤爪」第24章のタロス博士の劇「天地終末と創造」に登場する原初の女。作中ではジョレンタによって演じられます。ジャヒー、ヤヒとも呼ばれます。

ジャハイ あたしは<下界>の力で動くんだ。そして、必要ならば、ウールスの二度目の終わりまででもついていくつもりだよ。でも、もしまたあたしをぶったら、痛い目を見るのはあんただからね。

メシアンヌは拳を振り上げる。ジャハイは後ずさりする。

メシアンヌ ここで休むことに決めた時、おまえの足は私の足よりもひどく震えていたよ。

ジャハイ あたしのほうがあんたよりずっと苦労してるのさ。でもね、<下界>の力は忍耐力を越えて忍耐することなんだ――あたしはあんたよりずっと綺麗で、しかも、はるかに優しい生き物なんだよ。

メシアンヌ もうわかったよ。

ジャハイ もう一度、警告する。そして、三度目はないよ。ぶつなら、命がけでおやり。

メシアンヌ どうするつもり? わたしを亡ぼすために悪鬼(エリニス)でも呼び出すのかね。そんなことができるなら、もうとっくにやっているだろうに。

ジャハイ もっと悪いことよ。もし、またあたしをぶったら、あんたはそれが楽しみになってくるんだよ。--「調停者の鉤爪」第24章

ジャハイはゾロアスター教の聖典「アヴェスタ」においては、主神アフラ・マズダに敵対するアンラ・マンユ(アフリマン)を産み、次にそのアンラ・マンユと交わった女とされ、また原初の庭園で人類最初の男性を誘惑して、この世に性(セックス)をもたらしたともされています。その後ジャハイは月経を経験し、この世に月経という「穢れ」をもたらしました。このことからジャハイは月の象徴、女性の「穢れ」の象徴とされています。またセックスを罪深いものとする見方からは売春婦・妖術師ともされています。

このようにジャハイの位置付けは旧約聖書において蛇に誘惑されたイブ、あるいはイブの前のアダムの最初の妻であったリリスとも類似しており、ユダヤ教、ゾロアスター教といった男性優位な宗教が、それ以前の母系的な社会の「太母」を貶めたものとも考えられます。

ジャハイは、この物語内物語あるいは<新しい太陽の書>の中で何を意味するのでしょう。<新しい太陽の書>自体はあくまでもキリスト教的な審判と救済の物語としての色彩が強いものですが、その中でジャハイ(それにバルダンダーズ演じるところのノド)は非キリスト教的な色合いが強いものです。第5巻の "The Urth of the New Sun" においては、この「天地終末と創造」とそっくりの場面がありますが、そこではジャハイの役割は(おそらく)アバイアの女奴隷によって演じられます。セヴェリアンの体現するキリスト教的なものと、アバイアの女奴隷(おそらくアバイアも)やバルダンダーズに象徴される非キリスト教的なものとが、ともに<新しい太陽>のもとでウールス(ウシャス)を産み出すの役割をになうのかもしれません。

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