ultan.net: 登場人物

Last Updated:

06/09/2002




オウエン Ouen

ネッソスの町の<血染めが原>にある旅籠<失恋亭>で働く給仕。

背はドロッテくらい、頭は薄くなりかけ、痩せていて、なんとなくやつれた顔をしていた。目は濃い青。その目や口の形に、すぐに見分けられるような繊細さがあった。--「独裁者の城塞」第37章

セヴェリアンがアヴァーンでの決闘を前にアギアとドルカスとともに<失恋亭>を訪れた際、ドルカスの顔に自分の母の面影を見たオウエンは、ドルカスに警告を与えようとします。独裁者として<城塞>に戻ったセヴェリアンは、<失恋亭>を訪ね、オウエンに問いただします。

「父は商店主でした。西の岸の<古い門>に住んでいました。たぶん十歳くらいの時だと思いますが、父が私を給仕にするためにある旅籠に連れていきました。それ以来あちこちの旅籠で働いています」(中略)

「母のことはまったく知らないのです。キャスと呼ばれていました。でも、私が幼い頃に死んだのです。お産で死んだと、父がいいました」--「独裁者の城塞」第37章

つまりオウエンはドルカスと湖の老人の息子ということになります。またおそらくセヴェリアン自身がオウエンの息子であることがわかります。

「そうです、旦那。キャサリンという名前でした。古くさい名前だと、みんないいました」彼は言葉を切って肩をすくめた。「おっしゃるとおり、ごたごたがありました。彼女はある修道院から逃げてきたのです。法律が彼女を捕え、わたしは彼女に二度と会っていません」--「独裁者の城塞」第37章

「実は誰それは誰それの息子だった」という、一歩間違えば悪趣味きわまりない設定が、セヴェリアンの母親であろうキャサリンの存在によって、ある意味生きているように思えます。キャサリンがどのような人物だったのか、なぜ修道院から逃げていたのかなどは一切わかりませんが、拷問者組合の守護聖女と同じ名前(正確にはセヴェリアンの母親は Catherine、守護聖女は Katherine です)を持つことは偶然ではないでしょう。二人のキャサリンの関係についての(いい加減な)考察は「ヴァレリアはセヴェリアンの祖母だった?」を参照してください。

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